2017年5月8日月曜日

山河みちのく 山形 秋田の川をめぐる

GW後半戦はさらなる超特急。車中泊による弾丸ランで、みちのく山河を抜けてきました。


天気には恵まれました。

そよ風、芽吹く緑、仰げばまだ雪をかぶった山々が凛として。

コースは、山形市から国道13号線を北上して秋田県の湯沢・横手へ。

この内陸から日本海側へ出て由利本荘、国道7号線を庄内平野へと南下、再び山形市へ。

奥羽山地から日本海側、そして内陸へ戻る道筋。

↑こちら冒頭ショットは、秋田県 子吉川河口から眺めた鳥海山。


山形市から郊外へ出たところで。

いきなり。名代で知られる板そばでしょ。

っということで、たぐりました。ゲソ天、おつけものを添えて。うまし! そして安い!

ゲソ天100円、おつけものはセルフサービス。

そば処山形の意気を感じるもの。


季節の旬なり、こしあぶら。

こちらも100円、だったかな?

きど味、滋養にあふれ、うまし!

ついつい、今回も食べ物から入ってしまいました。


雪解けを 集めて早し 最上川

その水量と流れる速度にびびる。

富士川、球磨川と並んでの、日本三急流。

数年前、川下りをしたのは確か秋でした。こんなに水はなかったはず。

この流れの規模では、釣りをしようにも私には太刀打ちできません。


支流を探して走る。

本流に注ぐ合流点が私のようなシロウトの唯一釣りのできる場所。

ちなみにここは、鯉、ウグイの大群を発見。

雪解け水にも初夏です、恋愛、産卵のシーズンが来ていました。

でも釣りをせず、なぜか?

魚がみんな大き過ぎるので、もし掛かったら大変なことに。

つまりは、ちくっと、小魚ぐらいがいいのです。


合流する支流もこれぐらいの規模なら。

と思って覗いてみたのですが、魚の姿がまったくなし。

近づいた時に、ぱぱっと逃げる魚影がない場所はまず駄目、面白くないし。

次第に解ってきました。ここの判断が大切なような気が。


むむむむっ。

いらっしゃいました、熱い方々。たくさん。

みちのくの大きな河川はいまサクラマスのシーズン。

全国各地からの来訪が河岸に停まるクルマのナンバーから解ります。

最上川支流の鮭川にて。


なかなか、竿を出す勇気が出ない。

それでも川を見てまわるだけで満足してしまう。

美しいのです。楽しい。

きれいな川は、水と風景だけで納得できます。


川筋が変わると、回りの木々やたたずまいも変化する。

湯沢市郊外を流れる雄物川を橋上から眺めて。

冷たい色の水と冬枯れからすこしづつ緑になってきた樹木。

瀬音のする絵画を見つめているような気持ち。


突然ですが、食べたくなった稲庭うどん。

なんせ、湯沢です、本場です、稲庭うどんでしょう。いただいたのは鴨肉仕立てでした。

讃岐や水沢と並ぶ、日本三大うどん、、、、んん? 

いや三大うどんとなると、氷見、五島、私の田舎の群玉エリアも熱い。

そば、ラーメン同様、麺のお話になりますと、みな熱くなりますね。


子吉川をくだっている途中。

里山の河岸で行き当たった豪壮な段差の落下。

サクラマスはこんな局面も上がるのかしら?

いくのか、無理か? しばし、眺めながら、想像いたしました。


その子吉川の支流で、いよいよ竿を出してみることに。

同行のヒツジ(釣り執事)のなんとなくのカンとか。

耕した田んぼに入れた水を川へ戻しているので濁りが加わっています。

この濁りが土から流れ出た養分でもあって、小魚たちが喜んで集まるのだとか。


ビンゴ!!!

玉ウキがぴゅーっと沈んで、竿を立てるとプルプルプル。

ちいさなウグイが掛かってきました。

ちいさくともヒレはオレンジががっての婚姻色。

こうこなくっちゃ。


流れるウキが停まった感じ。

そのまま流れにさからうように上方に。

んんん? なんかヘンと竿を立てたら、この子。

ゴリちゃん、カジカ? こちらも、お腹が太くなっていました。


ウグイ、ゴリちゃん。

次々とウキを動かしてくれるので無我夢中になりました。

ちいさいけれど、この魚たちがいると元気になります。

ウグイやゴリのたくさんいることが、日本の川の本物の風景だと思うのです。


農業水路の吐き口をよく観察してみると。

ワナが仕掛けてありました。ヒツジによると。

左側の網が遡上してくるヅガニ(モクズガニ)を採るカニカゴ。

右側の筒状が、ナマズやウナギをとるワナであるとか。

農家の方々の農繁期の楽しみなのだそうです。


子吉川を下って日本海へ。

由利本荘市の河岸で軽く投げてみました。足場は最高。

風力発電機の向こうにちょっと映るのが冒頭写真にもある鳥海山。

爽やかな五月晴れでのひとときですが、なあんの反応もなく。一句。

釣り場はね 足場が良いほど魚いない まこぶさ吟

松尾芭蕉さんも目指したみちのく奥の細道、私も目指します(なにを?)


生息する魚を釣る上で、期間、方法などルールがきちんと決められています。

サクラマス、あゆ、やまめ、いわな。そして、さけ。

それだけ、魚を守らなければならない現実にきているということでしょう。


堤防から戻ってきたふたりのルアー青年がなにかを下げている。

ヒラメ? カレイ?

むむっ、これはイシガレイではないですか!

「ヒラメも掛かったのですが、こっちは珍しいので持ち帰りました」とのこと。

はい、早く帰ってお刺身でどうぞ!

子吉川の水質を実証するイシガレイの存在。


ふらっと入ってしまったそばスタンドにて。

国道105号線の道の駅とJR羽越線羽後岩谷駅とのコラボスペースにて。

近くに秋田牛の市場がある関係なのか名代の肉そば。

これが、うまし! いやあ、旨いなあ。

食べてばかりいますね。


そのスタンドそばの、もうひとつの名代がホルモン煮込み。

これも、うまし! 絡むお豆腐の食感も絶妙。

うまし! うまし! うまし!

食べてばかりいますね、みちのくですから、なんでもうまし!。


由利本荘から国道7号線を南下。

象潟(きさがた)の佳景を歩いてみる。

浅い海の九十九島だった風景が大地震の隆起で陸地に。

水田化されたなかに松の生える小島が点在して残っています。

松尾芭蕉さんが奥の細道で当地を訪れた頃は海。

田んぼに水の張られる季節はその頃の光景を想像させると言われているそう。


国道7号線をさらに南下。

遊佐町の庄内平野の北端へ来ました。ここでまた山形県に入ります。

水を張った田んぼ、里山の丘陵、奥に、裾野を広げる鳥海山。

こころが、広くなって、なんだか、とてもいい人間になってきた気がします。


遊佐町を流れる吹浦川と月光川の河口の吹浦(ふくら)の港へ。

堤防での釣り人、雪山とのコントラスト。

夏になるとたくさんの人たちで賑わう楽園なのだとか。

釣りをしたり、泳いだり、夏姿の鳥海山も素敵でしょうね。


あっ、貨物列車。

赤い電気機関車が引っ張っていました。

海、川、線路が集まっている吹浦。

釣り好き、汽車好きにはタマらんと、どっちも好きなヒツジの弁。


吹浦から鳥海山よりにほんのちょっと遡上。

鳥海山の伏流水を湛える丸池様を覗いてみました。

ご当地の方々が、さまづけするほどの、水の美しさ、神秘、神々しい!

池のほとりで、アゼンとして佇んでしまいました。


国道7号線をさらに南下、酒田新港にてちょいと投げてみる。

ここでも鳥海山がよく見えて気分爽快でしたが、いかんせん壁が高い。

竿を立てかけたまま、竿先や遠くを眺める時間。

足元にはタイヤがたててあり、それに乗っかっています。


壁に立って投げるルアーマンと、それを眺めるギャラリーの皆さん。

このあと、物凄い光景を見ることになりました。

写真右側、堤防の先を、悠々と横切っていくイルカの大群に遭遇。

「あれが来ると魚が釣れないんだ!」とみなさん絶叫気味。

しかし、目の前ではサワラがジャンプ! これは驚いたから?

ヒツジ曰く「すぐ後ろが火力発電所だから哺乳類は定期的に湯浴みにくるんだよ」

ふーん、火電温泉、ラジエータの湯ってか?

そんなこんな、たいへん盛り上がっていたところに。


ゴン、ゴン、ゴン。

私の竿にアタリがきて、巻くと、グビグビグビグビという抵抗感。

アイナメが上がってきたのでした。

そこへ、たまたま通りかかった息子さんに連れられたお母さん。

うわあ、立派なアイナメねえ、と賞賛いただき、それではと、貰っていただくことに。

今回、海の釣りでは、唯一の獲物ということになりました。


帰り時間が迫ってきて、ラストの釣りを最上川の河口にて。

とても広大、さすが日本の三大急流のエンド、夏にはいろんな魚で賑わうそう。

足場も最高で、まわりにはポツポツと粘っていらっしゃる方がいて、期待。

しかし、雪解け水では、まだ時期尚早の感が強く、戻ってくるエサが冷たい。


いよいよ庄内を離れて山形市へ帰る。

高速道路、国道112号線を上りながら見えた月山の山並み。

出羽三山、やはり、霊験あらたかと申しますか、初夏の姿がいいですな。

夏にまた来れたらなあと思ったりしまして。

それでも、山越えして山形の盆地に降りてきたところのSAにて。


また食べてしまったその1

たまこんにゃく。さすが、芋煮会の聖地。

うまし! いやあ、旨いなあ。

群玉エリアも負けてられません、対抗意識が燃えたりして。



また食べてしまったその2

立ち食いそばの、岩のりそば。

これも絶品でした、山形は確実に、信州や江戸そばとタメ線級の実力ぞろいと実感。

うまし! これにてお開きに。

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